【初心者向け】コーラスエフェクターの基礎知識(使い方と選び方)

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はじめに

エレキギター用のエフェクターには多くの種類がありますが、コーラスエフェクターは、その中でも特によく使われているエフェクターの一種です。
コーラスエフェクターを使用することにより、サウンドに厚みを与えることができます。

本記事では、初心者の方に向けて、コーラスエフェクターの基本的な知識や使い方、選び方を解説します。

コーラスエフェクターとは

コーラスエフェクターは、入力音と、それを僅かにディレイ(遅延)させた音を重ねることで、音に周期的な揺らぎを与えるエフェクターの一種です。
このような揺らぎを加えるエフェクターは、モジュレーション系エフェクターと呼ばれており、他にフェイザーやフランジャーなどが存在します。

コーラスエフェクターにおけるディレイ音は、一般的なディレイとは異なり、遅延時間が周期的に(=一定の時間間隔で)変化するようになっています。これにより、ディレイ音のピッチが微妙に上下し、出力音に揺らぎが生まれます。
コーラスエフェクターにおけるディレイ音の遅延時間は、一般的に10~30ミリ秒程度とされています。

このエフェクトの始まりは、Roland社の定番ギターアンプ「JC-120」に搭載されたコーラス・ユニットとされています。

画像はRoland社の製品ページより引用

このコーラス・ユニットは、2基あるスピーカーのうち、片方からは原音を、もう片方からは微妙に遅延させた音を出力し、2つの音を空間上で合成させることによりコーラス効果を得るというものです。
この機能をエフェクターとして独立させたものが「CE-1」であり、世界初のコーラスエフェクターとして知られています。

使い方

用途

コーラスエフェクターは、基本的には、ダブリングしたようなサウンドを得る目的で使われます。
ダブリングとは、同一のフレーズを複数回録音し、それらを重ねることで、音に厚みを出す手法を指します。
これによる効果は、合唱における「コーラス」と同様のイメージと捉えることができます。

その他、ギターの音作りにおいては、エフェクトを強めにかけることにより、爽やかさを演出したり、立体感を表現することができます。

パラメータ

一般的なコーラスエフェクターにおける各パラメータの役割は、以下の通りです。

RATE, SPEED

ディレイ音の遅延時間が変化する周期の速さを設定するためのパラメータです。
値を大きくするほど、ディレイ音の揺れが速くなります。

DEPTH, WIDTH

ディレイ音の遅延時間の変化幅を設定するためのパラメータです。
値を大きくするほど、エフェクトが深くかかり、より多重感が強くなります。

MIX, INTENSITY, E.LEVEL

原音とディレイ音のバランスを調整するためのパラメータです。

接続順

複数のエフェクターを用いる場合、コーラスエフェクターは、オーバードライブやディストーションといった歪み系エフェクターの後ろ、リバーブやディレイといった空間系エフェクターの前に接続するのが一般的です。
歪み系エフェクターの前にコーラスエフェクターを接続してしまうと、ディレイ音に対しても歪みをかけることになり、結果として音が濁る可能性があるため、注意が必要です(あえて音作りの一つとする場合もあります)。

また、ギターアンプ実機のプリアンプで歪みを作る場合は、センド&リターン機能を使用して、プリアンプ→コーラスエフェクター→パワーアンプの順で信号を通すと、上記と同様の問題を解決することができます。

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選び方

種類

コーラスエフェクターの構造は、アナログコーラスとデジタルコーラスの2種類に分けられます。

アナログコーラスでは、BBD素子と呼ばれる電子部品を使用して信号を処理します。
アナログ回路特有の、自然で温かみのあるサウンドになるのが特徴です。
また、シンプルな操作性のものが多く、比較的扱いやすい傾向にあります。

デジタルコーラスでは、ICチップを用いて信号にデジタル処理を施します。
信号の劣化が発生しないため、クリアなサウンドを得ることができます。
パラメータを細かく調整できるモデルが多く、幅広い音作りを実現しやすいです。

おすすめのモデル

サウンドの好みは人それぞれであるため、ここでは、定番とされており、かつ入手しやすいコーラスエフェクターを二つ紹介します。

BOSS CH-1 Super Chorus

画像はBOSS公式の製品ページより引用

BOSSによるデジタルコーラスエフェクター。
シャープで音抜けのよいモダンなサウンドが特徴で、カッティングなどの爽やかなフレーズと特に相性が良いとされています。
コントロールとして、基本的な3種類のノブの他、ディレイ音のトーンを調整するEQノブが搭載されています。

CH-1の公式サウンドチェック動画:

MXR M234 Analog Chorus

画像はDunlop社の製品ページより引用

MXRによるアナログコーラスエフェクター。
アナログらしさを感じさせるウォームなサウンドが特徴で、音作りに柔らかさをもたらします。
コントロールとして、基本的な3種類のノブの他、ディレイ音の音域を調整するためのLOWノブとHIGHノブが搭載されています。

M234の公式サウンドチェック動画:

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事を書くにあたり、入念に調査を行っておりますが、もし間違いなどありましたら、お問い合わせフォームからご連絡を頂けますと幸いです。

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